先週、名古屋で講演しました。
会場は勉強熱心な方たちで、熱気がこもったものになりました。
今回のテーマは、「後継者のジレンマと成功の法則」。
2時間半という長めの講演でしたが、あっという間に時間が過ぎました。
その後の懇親会で話題になったのが、
会社の株を家長が単独で継承すべきか、兄弟で分けて持つべきか。
それぞれに長所、短所があり、どちらが正解、ということはありません。
どちらを選ぶにせよ、長所を生かし、短所を補う必要があります。
300年以上続く日本の長寿企業は、家長が単独で所有する形が多いようです。
単独で所有することでオーナーの分散を防ぎ、
経営に対する長期的な一貫した姿勢を保持することができます。
しかし、単独所有では、物の見方が一方的になりがちで、
時代に対応した経営に対する柔軟な判断がしにくくなることもあります。
また、経営に携わる他の親族や、相続を受けられない家族が出ることになり、
これらの人たちの理解を得るための努力が必要になります。
一方で、欧米で主流の兄弟が分割して所有する形態は、
代を重ねるごとに従兄弟、再従兄弟(はとこ)同士で
会社を所有することになります。
4代も続く家になると、株主が100人以上ということもよくあります。
このような親族の中から、経験豊かで能力の高い人たちを
経営陣にそろえることで、強い会社を作ることができます。
しかし、株主が分家の又分家、というような関係になると、
経営に対するものの見方や配当に対する考え方の相違、
ひいては株の売却の問題など、
親族とはいえ様々な価値観が混在し、
利害の調整が課題になります。
いずれの形をとるにせよ、ファミリービジネスコンサルタントが勧めるのは、
親族が集団で合意する能力を養うことと、
そのための仕組み(ファミリーミーティング)を作ることです。
長寿企業を支えるファミリーは、この事をとても大事にしています。
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