1年ほど前に、アメリカでGibb Dyer教授のチームビルディングの研修を受けた。
教授の父親はマズローらとともに、「T-グループ」という活動を、
企業のリーダーの育成に応用する試みに参加した人だ。
T-グループを使ったこの活動は、
各企業からトップリーダーを集め、マズローらの理論に基づき、
徹底したリーダーシップ教育を集中的に行い、各企業に戻って
リーダーとしての能力を発揮してもらおうというものだ。
当初は大きな期待が寄せられたが、その結果は、あまり良いものではなかった。
トレーニングを受けたリーダーは、最初は活発にリーダーとしての活動を行うが、
チーム全体が活性化され、成果をあげるケースは少なかったのだ。
Dyer教授は、この経験を踏まえ、チームビルディングの重要性を唱える。
チームとして成果をあげるためには、単にリーダーの能力が高まるだけでは不十分で、
またメンバーの個人的な能力が高いだけでもダメだ。
チームとして成果をあげるためには、それとは別の能力を開発する必要がある、
と考える。
Dyer氏に教わったチームビルディングの手法を、何社かで実施した。
それぞれに良い成果をあげている。
特に会社の最高意思決定を行うマネジメントチームには、
高いチームワークの能力が必要だ。
時として目標達成への意欲が顕著に高い組織には、
チームワークを高める努力が後回しになることがある。
–「あの人さえちゃんとやってくれれば…」
–「あの部署さえミスを減らしてくれれば…」
このような会話が多く聞かれる時、チームワークを見直すチャンスと言える。
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