経営者の引退の時期が遅れると、
「老害」が起きることが多い。
会議での話が長くなる、
昔話が多くなる、
自分の誤りを認めない、
などの行動が目立つようになる。
この程度ならまだ良いが、
環境の変化に鈍感になり、
昔の成功体験にこだわり、
現在の環境に対応する、新しい方法を
受け容れられなくなると、
経営にも悪影響が及ぶ。
社長自身が会社の足かせになってしまう。
「老害」の発言、行動は、
それが会社を害している事を本人が気付かないために
たちが悪い。
自分で後継者を指名しておきながら、
無意識に発する言葉が後継者の内外の信用をおとしめ、
後継者は会社にいられなくなり、辞めてしまう。
次の後継者も同じ目に合い、再起不能になる。
こんな経営者を何人か知っている。
社長交代を発表しながらも、
いざそのときになると、ずるずると先延ばしする。
社長交代した後でも、会長として指示を出し続ける。
このような経営者にとっては、
後継者が若く、未熟に見えるのであろう。
或いは自分の分身ともいえる会社から、
自分を切り離して考えることができないのかもしれない。
創業者には特にこのタイプが多い。
引退するという手本を見ていないためかもしれない。
引退した後に、
「あの社長は立派だ」といわれる人は、
引退後には、オーナーとして経営陣を支援はするが、
日常の経営には口出しをしない。
引退後も、忙しく動き回ってはいるが、
地域の慈善活動や、
業界全体を育成する活動に献身している。
老害といわれないためにも、
後継者を決めたら、
会社とは別の、自分の次の人生を築く必要がある。
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