超富裕層を顧客にする、スイスのUBS銀行が行ったアンケートが公開されている。
http://www.ubs.com/2/e/wmch/family_advisory/57136_The_Generation_Game_GLOBAL_Web.pdf
世界の120の長富裕ファミリーに対して行った調査だ。
ファミリーの資産を保全し、次世代に伝えるための質問に、以下のような回答が出た。
1.ファミリー資産の保全に、どの程度関心があるか?
76%が関心、懸念があると答えた。地域別には、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、アジア太平洋の3区分があるが、
ラテンアメリカは関心の程度が少し低いのが興味深い。
2.ファミリー資産の保全に関して、体系的な対策を行っているか?
「Yes」が25%、「部分的に行っている」が50%、「No」が25%である。
地域別には、「Yes」は、ヨーロッパ:7%、ラテンアメリカ:35%、アジア太平洋:35%と、
ヨーロッパが少し遅れているように見える。
3.体系的な対策を打つに当たり、障害になるものは何か?
全体の回答の多い順で、
1)ノウハウの不足
2)ファミリーメンバーのサポート不足
3)環境の継続的な変化
4)現時点では優先度が低い
5)準備時間の不足
6)複雑すぎて煩わしい
とある。
地域別で特徴的なのは、アジア太平洋地域で、
「現時点では優先度が低い」と「環境の継続的な変化」がトップになっている。
4.ファミリーを一つにまとめるものは何か?
全体の回答も地域別の回答もほぼ同じ、
「歴史・価値観」(45%)、「コミュニケーション」(41%)がトップであった。
その他選択肢は、「財産」(6%)、「ビジネス」(4%)、「慈善事業」(3%)、「ファミリーオフィス」(1%)。
報告者は、ファミリー資産の承継に際して、時間不足や認識不足が阻害要因ではなく、
ノウハウの不足、ファミリーのサポート不足、環境や優先課題の継続的な変化が
懸念材料であることは驚くべきことだとしている。
歴史、価値観を共有し、コミュニケーションを高めながら、
事業承継を実行していくことが重要のようだ。
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