ファミリーガバナンスのアドバイスをする中で、
後継者の選任、育成は重要な課題である。
祖父、曽祖父の時代には兄弟姉妹も多く、長男が後を継がない場合にも二男、三男が後継者となる選択肢があった。
しかし、少子化の影響はファミリービジネスにも当てはまり、
選択肢が減っているのが現状である。
さらに、次世代には女子しかいない、というケースに出会うことが多い。
ほとんどのファミリービジネスにおいて、祖父、曽祖父(先代、先々代)の時代には
女子は事業に入るべからず、と考えていた。
これは、「イエ」としてのファミリービジネスが、
戦後の民法改定後にも組織原則として残っていたことを意味している。
家督は直系長男が踏襲し、家長としてファミリーを支援するという
「イエ」の原則は、少子化によって新しい形に変わらなければならない。
単に女子を後継者とするか否かの問題にとどまらず、
ファミリーをどう定義するかという問題になる。
100年、200年先まで視野に入れ、
それぞれのファミリーに適した組織原則を模索し、
その原則にファミリーの全員が同意することが
ファミリービジネスの永続のために重要な課題だ。
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