ファミリービジネス研究は、欧米ではひと足早く進み、ファミリーたちが研究の成果をすでに実践で活かし始めています。
2011年8月22日の『ウォール・ストリート・ジャーナル』に「家族そろって学校へ通う」と題した記事があります。
「ファミリービジネスは、学校の教室という、問題解決のための新たな場所を見つけつつある。この数年間で、多くのファミリー企業のリーダーたちが、彼らのニーズに合わせて作られた、大学のエグゼクティブ・プログラムに通うようになった。これらのコースは、単に事業経営の最適な方法を教えるだけでなく、ファミリーの関係がもたらすファミリービジネス独自の障害や課題、すなわち事業承継や親族間のコミュニケーション不足などに焦点を当てている。」
これらのコースでは、創業一族や経営幹部は数名で一緒に参加することを推奨しています。それはファミリービジネスの主な構成員が共通の理解を持つことを意図しているからです。ロールプレイなどのチーム実習もプログラムに取り込まれています。教授はある時は講師としてビジネス理論を教え、ある時はカウンセラーとしてファミリーの問題にアドバイスしながら指導します。企業のリーダーとして、もし相手が自分の子供や甥、姪であれば、ビジネス上の意思決定も違ったものになってきます。これらのコースでは、そういったビジネスに内在するファミリーの力学も学びます。
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