このブログで何度かご紹介してきた3円モデルは、全体のファミリービジネスシステムを形づくるサブシステムとして、ファミリー、ビジネス、オーナーシップが、それぞれ相互に長期的に影響し合うものであることを表しています。
言うまでもなく、ビジネスはファミリーに対して、長期的に金銭的な安全を与える存在です。ビジネスで得たお金は、ファミリーの生活水準を保障し、次世代の教育を確保するものになります。お金の蓄積は金融機関に対するファミリーの信用力を高めるものです。
さらにビジネスはファミリーメンバーの就業の場を提供するという意味でもファミリーを支える存在であり、ファミリーのビジネス教育の実地訓練の場にもなるものです。
逆にファミリーはビジネスに対して何を提供するべきなのか? このことはともすると忘れられがちになる重要なことです。多くのファミリービジネス研究者やコンサルタントが「ファミリーはビジネスの価値を高める存在でなければならない」と主張します。ファミリーはビジネスの守護者、支援者として、経営のリーダーシップをとる優秀な人材を育成し、創業の精神やファミリーの文化に基づく理念を伝え、企業の競争力を高める者であるべき、ということです。
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