ファミリービジネスでは、世代間のコミュニケーションが課題になる。
これは社長と専務(父親と息子)の関係に顕著に現れる。
父と子の対立の難しさは、どちらも正しさを持っていることだ。
同じ出来事を見ても、人によってとらえ方は全く違う。
社長はうまくいっていると見ても、専務はこのままでは危ないと考える。
人はそれぞれ、出来事を自分の中に投影し、その投影された像に対して反応している。
投影された像は、その人の過去の体験に影響される。
それぞれ異なった体験を持つ人間が、同じ出来事を見て、全く異なる印象を持つ。
これはごく当たり前のことだ。
ましてや父と子ほどの隔たりがあれば、生きてきた時間の長さも違えば
世界について学んだ時代の、それぞれの時代が持つ価値観も違う。
どちらが正しく、どちらが間違っていると決めることはできない。
世代間のコミュニケーションは、お互いが全く違う体験をしてきていると、
互いに認め合うことからはじめる必要がある。
ビジネスファミリーの父と子の葛藤は、
同じ事実を見ても、それぞれが違う印象を持っていることを、
お互いに認め合うだけで、解消に向けて大きく動き出す。
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