FFIは、世界中からファミリービジネスのコンサルタントが集まる機会です。
しかも、ここに集まる人たちは普段は同業者であり、
お互いに競争相手ですが、
この場ではお互いの成果を分かち合い、
新しい手法や発見を交換し合う、
寛大さにあふれています。
業界自体がまだ若い、ということもあるのでしょう。
20年前にFFIが結成されてから、
特にこの5年間で会員数は倍に増えています。
アメリカでもスタートしたばかりの分野ということで、
認知度が高まりつつあるところです。
互いに協力して認知度を高めたいというエネルギーを感じます。
一昨日行われた、
マイアミ在住のスペイン系ファミリービジネスオーナー(女性)の基調演説は、
大変エキサイティングで、
FFIのフトコロの大きさを感じさせるものでした。
彼女は、スペインで事業を営む家の3世代目の長女として生まれましたが、
20代でアメリカにわたり、米国子会社を設立して経営してきました。
スペインの実家のファミリー内の問題が会社に大きな影響を与えたため、
アメリカのファミリービジネスを研究する大学教授に相談し、
スペインの実家でファミリー協議会を設置し、その議長になりました。
(ファミリー協議会は、ファミリービジネス研究から生まれた、基本的な手法です。)
話の中で、彼女が体験したアメリカでのビジネス、実家の兄弟姉妹間の葛藤など、
スペインの実家を取りまとめるファミリーリーダーとしての苦悩が語られました。
「スペインの実家のファミリー協議会では、親族の入社条件として、大学卒業以上であること、他の企業で3年以上の経験をつむことを決めた。」
ここで会場の450名のコンサルタントから大きな拍手。
「スペインの社長をやっている弟が、他の姉妹が均等に持っている株を、自分に集めたいと言い出した。」
ここで会場からはいっせいにため息。
「来週スペインでファミリー評議会があるが、自分はどうしたらよいか、会場のコンサルタントのアドバイスが欲しい。」
壇上と会場の立場は逆転しました。
会場のコンサルタントからは活発な、たくさんのアドバイスが。
世界のトップクラスのコンサルタントが、
ひとつのケースについてアドバイスを出し合うという、
私にとってはまたとない勉強の機会になりました。
ビジネススクールの、
競争意識が前面に出た、ギスギスした関係しか知らなかった私には、
FFIのこうした前向きなエネルギーはとても新鮮に感じられ、
このような人たちの仲間入りが出来たことに感謝しています。
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