ファミリービジネス研究者で、米国の学会誌 Family Business Reviewの元編集長、Joe Astrachan は、 Family Business Magazineの20周年記念号で、ファミリービジネスに関する定説と、研究結果の違いについて、
いくつかの指摘をしている。
「ファミリーはファミリーらしく、ビジネスはビジネスらしく」という定説がある。ファミリーとビジネスを別のものとして扱い、それぞれに確固としたルールを当てはめ、非ファミリビジネスのマネジメントスタイルを理想的なものとしてファミリービジネスもそれに合わせようとするものだ。
今日の学術調査では、このような「分離派」の視点を支持する研究結果はほとんどなく、むしろファミリーとビジネスを一体のものとして見るべきとする「統合派」を支持するものがほとんどである。
Joe Astrachanのこの指摘は、ファミリービジネスの構成員であった自分の体験や、コンサルタントとしての経験からも、納得がいく。
ファミリービジネスの経営から、ファミリーらしさを取り除こうとしても、それが企業の強さに繋がるものではない。むしろ、ファミリーらしさをいかにうまく経営に生かしていくかが強さの源になるのだ。
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