大仁科技大学のChiung-Wen Tsao教授 らによる研究。
2つの仮説に対して検証が行われた。
仮説1)台湾の公開企業では、創業家のオーナーシップは会社の業績に肯定的な影響を与える
仮説2)戦略的HRマネジメントのレベルが高いほど創業家の影響が肯定的に作用する
台湾株式市場の上場688社からのうち、91社から回答を得た。
うち、70%はファミリー企業。
調査の結果、仮説1)は検証されなかった。
台湾においては、ファミリービジネスと非ファミリービジネスの間に、業績の違いは見出されなかった。
年長主義、信頼関係などを重視する、儒教的経営風土が他の国の状況とは違うのでは、
と研究者は説明する。
仮説2)は検証された。
積極的な教育訓練、社内のキャリア形成、能力によって高めることができる報酬体系など、
戦略的なHRシステムに取り組むファミリービジネスほど良い業績を上げており、
逆にこれを行わないファミリービジネスは業績が悪い。
戦略的HRシステムと業績の関係は、
ファミリービジネスにおいて顕著に現れ、
非ファミリービジネスにおいてはあまり大きな違いにはつながらない。
ファミリービジネスにおいて、戦略的なHRマネジメントを取り入れる効果は、
非ファミリービジネスよりも大きいという結論。
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