一言で保守的と片付けてしまうことは危険のようだ。
ファミリービジネス研究に積極的な、アメリカのバブソン大学の
Shaker A. Zahraの研究がある。
(Family Business Review, Vol. 18, No. 1, 23-40 (2005))
米国の製造業209社を対象に、
社長の在任年数、ファミリーの持ち株比率、
ビジネスに従事するファミリーメンバーの世代構成が
新技術への投資、新市場への参入、海外市場への進出と
どう関係しているかを調べたものだ。
結論は、
1)ファミリーの持ち株比率が高いほど、国内外の新市場への進出に積極的。
2)ビジネスに従事するファミリーメンバーの世代構成が多岐にわたるほど
新技術や思い切ったイノベーションに積極的。
というもの。
一方で、
3)社長の在任年数が長いほど新技術やイノベーションに消極的になる。
ことが明らかになった。
ファミリービジネスの強みである、長期的な視野や一貫した価値観を持つことは、
社長の任期が長いことが一つの要因であるが、
一方ではそれが変革に対する消極的な要因になる。
この弊害を和らげるためには、複数の世代のビジネスへの参加が有効だ。
環境変化が激しい今、
次世代のファミリーメンバーが参加し、意見が反映されるファミリー企業に
強味があるようだ。
コメント