ビジネスの永続性に着目した研究は数多くあるが、
オーナーファミリーの世代を超えた企業家精神に関する研究は少ない。
ファミリーの持つ継代企業家精神 (Transgenerational Entrepreneurship) に着目した研究がある。
From Longevity of Firms to Transgenerational Entrepreneurship of Families: Introducing Family Entrepreneurial Orientation
Thomas Markus Zellweger
Robert S. Nason
Mattias Nordqvist
Family Business Review November 7, 2011
継代企業家精神とは、
「ファミリーが企業家マインドセットとリソースを使い発展させるプロセスと、企業・ファイナンス・社会的価値に世代を超えて新しい流れを作る能力」
企業の永続性だけを考えると、
複数の企業で構成される企業グループを持つオーナーファミリーの場合、
(実際に中規模以上のファミリービジネスは、1社だけのビジネスではないケースが大半)
グループ内企業の統廃合は頻繁に行われており、
ファミリービジネスの全体像は見えてこない。
報告では予備的調査を踏まえて「ファミリー企業家志向」というコンセプトを提唱している。
企業家志向とファミリー志向は長期的には両立しないという説(Martin & Lumpkin, 2003)があるが、現実はそうではないと指摘。
調査では「ファミリーの継代的企業家志向」と「ファミリーのリスク・変革志向」が独自の因子として見出された。
今後、オーナーファミリーが代々育む企業家精神の研究が進むことを期待しています。
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