引退が近い社長は、保守的になることで会社を守ろうとし、
後継者は革新的であることで会社を守ろうとする。
引退が近い社長は、ビジネスに対して収穫を求め、
後継者はビジネスに対して種まきを考える。
経営の革新はまさに後継者の仕事である。
それは、新商品開発、新市場開拓、新ビジネスモデル、新技術の導入など、
形態は様々だが、ビジネスの存続と発展のために
重要な変革であると後継者は考える。
このような革新のプロセスにある後継者から相談を受けることが多い。
その中の一つ、革新と番頭についての相談がある。
【相談】番頭さんたちが革新について理解を示さない、動こうとしない、抵抗する。
革新とは、父親とその番頭、経営チームが体験したことが無いことを始めることだ。
まずは誠心誠意、説明すること。
何度説明しても理解されないと、
「そんなに俺が信用できないのか?」、
「俺を信じろ!」
という気持ちに支配されがちだが、
そこで一歩立ち止まり、
「自分は同じように彼らを信用しているか?」と問うこと。
相手に自分を信用してほしければ、まず自分から相手を信用することだ。
先輩に感謝と敬意をもって真摯に、謙虚に革新を訴える。
そして残念ながら、全員が理解を示すことは期待すべきではない。
私自身の経験だが、革新が軌道に乗り、
成功を収めてもなお理解を示さない人はいるものだ。
そこにエネルギーを使いすぎず、ある段階で見切りをつけ、
理解されない悲しみを噛みしめつつ前に進むこと。
他の大多数の人は、革新の成功に感謝するだろう。
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