2日目の午後はファミリーオフィスに関するセッション。
ファミリービジネスの第二世代の後継予定者が、専門家3人のアドバイスを聞きに来た、という設定でのプレゼンテーション。相談者は会社の状況だけでなく、父親が事業に成功して財産を築いたが、80代になり体も弱ってきた。父親は税金対策だけを考えて財産管理してきたが、何を目指しているのかがよくわからない。兄弟はそれぞれ別の仕事についているが、疎遠になっている。会社の後を継ぐのは自分。自分の子供たちは順調に育ち、有名大学に通っている。自分は仕事だけに集中していてもよいのだが、この財産を前向きに生かしていくために、ファミリーオフィスを検討したい、というのが相談内容。
3人の専門家のアドバイスの概略は、
- まず目的を明確にすることが必要。その目的をファミリーオフィスがかなえることができるのか、目的に沿ったファミリーオフィスの設計がある。
- ファミリーオフィスはもう一つの事業を始めるようなもの。それなりのコミットメントが必要。
- 柔軟に考えること、タイミングも重要。疎遠になった兄弟(会社の株は共有)が、一つの目的のために話し始めるきっかけにすることもできる。
- いきなり大きな機能を持たせるのではなく、小さく初めて育てていくのが良い。
ちょうど米国が債務危機を回避した翌日であったためか、ファミリーオフィスもこれから見込まれる増税にしっかり備える必要がある、とのメッセージも。
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