経営学は長い間、創業家と企業は別のものであり、切り離して考えるべきであるという前提に立ってきました。
企業の健全な発展形態は、まず企業の段階では創業者一族が献身的に働き、事業が拡大すると専門経営者に経営をゆだね、株式を上場し、創業家は事業から手を引く、という形が理想的なものである、という前提です。
上場した大企業のための経営論が構築され、同族企業や中小企業はその経営論を身の丈に合わせて応用するのが良い、とされてきました。
しかし、強調したいのは、同族企業は一般企業とは異なる構造を持つため、同族企業のための独自の経営論が必要だ、ということです。同族企業につきまとうリスクを回避し、さらに同族企業ならではの強みを発揮する経営論が望まれます。
特に戦後、高度成長期に創業した企業にとって、このことは重要です。
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