日本は老舗大国と言われています。日本経済大学の後藤俊夫教授によると、世界の200年以上の社歴を持つ企業のうち、約45%は日本の企業です。2位のドイツの約21%とも圧倒的な差をつけての1位です。
なぜ日本だけがこのように飛びぬけて長寿企業が多いのか。ひとつだけの理由で説明できることではありません。外国に征服され植民地となった歴史がないこと、江戸時代から石田梅岩らによって商工業の哲学が説かれて普及したこと、「売り手良し、買い手良し、世間良し」の三方良しの精神が社会と共存し、柔軟に変化する会社組織を育んだことなど、様々な考察がされています。
元神戸大学教授の加護野忠男氏は、長寿企業には4つの共通点があると言います。
- 環境の変化に対して敏感である
- 強い結束力があり、企業組織全体の健康状態を大切にする経営者に経営をゆだねている
- 連邦型の経営を行って現場の人々の判断を大切にしている
- 資金調達に関して保守的で質素倹約を旨としている
長い歴史を経て、多くの日本の企業がこのような理念を持つことができたため、長寿企業になりました。そして、そのほとんど全てがファミリー企業なのです。
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