創業の時点では経営者はファミリービジネスという認識はないかもしれません。若いころは子供には継がせない、と考えていても、年を重なるにつれて考え方が変わっていくことも多いものです。また、突出した経営者を輩出するファミリーには、代々引き継がれ、育まれている価値観があるものです。
自分自身の中に、また次世代の子供の中に、そのような代々引き継がれた事業家としての価値観、使命感を見出すことができるかもしれません。これまでの典型的な4つの段階をご紹介します。
1.ヤングアダルトファミリー段階
結婚から子供が学校を卒業するまでの、夫婦共働きから子育て時代です。出産、育児期間中は夫だけが働くことになりますが、その後は仕事と家事の両立や、年をとる両親との新たな関係が課題になります。仕事と家事を夫婦でどう分担するかが課題になります。
2.子弟参加 35~50歳
子供たちは社会人となり、中にはファミリーの事業に参加する子供もあります。子供の進路、結婚、自分や兄弟姉妹の子供を自社に入社させるかどうかなどが課題です。子供の独立、経営での権限移譲など「手放すこと」を学ぶ時期でもあります。
3.親子共同就業 50~65歳
自分と子供の二つの世代がビジネスパートナーとして共に働く段階です。親子、兄弟姉妹、義兄弟、いとこ、叔父叔母、甥姪など、幅広い年齢層と複雑な関係を作ります。ビジネスの業績がよければ彼らに充分な報酬と役職を与えることができますが、業績が悪い場合には、彼らと苦しみを分かち合うことも必要になります。
4.世代交代 60~75歳
次の世代への移行の時代です。充分な準備が必要とされる時です。早すぎず、遅すぎずのタイミングが重要です。引退後の生活設計と金銭的な保障が課題になります。周到な準備と決意が必要です。
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