ファミリーメンバーであるというだけの理由で高い役職についたり、
高額の報酬を得たり、遅刻・早退・欠勤が多くても優遇されたりすることは、
ファミリービジネスにありがちなことだ。
自社に従事するファミリーメンバーに対する、家族としての思いやりに満ちた処遇を、
そのままビジネスに持ち込むと、会社の非ファミリーメンバーの反感を買うことが多い。
度を越えると、非ファミリーメンバーの意欲をそぐことになる。
非ファミリーメンバーは、オーナー一族族に対して、他の人以上に
強い規律と高い能力を期待するものだ。 そうあって欲しいと願っている。
その思いが強い分、縁者びいきに対する反感や落胆は大きくなる。
ファミリーの事情は時と共に変化していく。
長い間には縁者びいきと思われても、処遇を良くせざるを得ない事態も起きるものだ。
処遇を厳しくすると、今度は親族内の反感を買うことにもなりかねない。
オーナー社長は板ばさみの状況になる。
この板ばさみの解決法がある。
それは、事前にファミリー会議で、
ファミリーメンバーの就業と処遇に関するルールを
明確に策定しておくことだ。
ファミリー全体で合意したものを文章にしておく。
公開できるものは、非ファミリーメンバーの社員にも公開する。
非ファミリーメンバーは、オーナーに直接文句は言いづらいものだ。
こういったファミリーのルールを事前に知らされることは、
非ファミリーの従業員にとって、安心材料になり、
オーナーファミリーに対する信頼感が高まることになる。
ファミリーで合意したルールを明文化し、
それに基づいた運用を行うことが、
縁者びいき(ネポティズム)の弊害を事前に防ぐ方法である。
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