Family Business Reviewというファミリービジネスの学会誌がある。
ファミリービジネス研究では最も権威のあるアメリカの学会誌だ。
今回そこに日本企業を対象にした論文が掲載された。
日本のファミリービジネス学会の会長である、倉科敏材 甲南大学教授と、
Jose Allouche, Bruno Amann, Jacques Jaussaud が発表した論文だ。
同業種、同規模のファミリービジネスと非ファミリービジネスをペアにしてその業績(ROA,ROE,ROIC)を比較するという、欧米で実績がある比較手法を用いた研究である。
日本の上場企業1,271社(うち、ファミリービジネス491社)の
1998年から2003年のデータから、
156組のファミリービジネス、非ファミリービジネスのペアを作り、分析を行った。
このMatched-Pairという比較手法は、ファミリービジネス研究では定評のある方法である。
その結果、
1.日本では、ファミリービジネスが非ファミリービジネスより業績が良い、
2.日本では、ファミリービジネスが非ファミリービジネスより、財務構造が良い、
3.日本では、ファミリーのコントロールが強いほどビジネスの業績が良い、
4.日本では、ファミリーのコントロールが強いほどビジネスの財務構造が良い、
ことが明らかになった。
日本のファミリービジネスが世界に紹介される機会は今まであまり無かったが、
これをきっかけに世界への発信が盛んになることと思う。
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