経営コンサルタントを紹介する「経営堂」のホームページでの連載の第5回(その2)です。
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現代の家訓(ファミリーの約束ごと)は、江戸時代とは違い、
民主的に、ファミリーメンバーの合意に基づいて作られている。
現代のファミリービジネスにとって、
家訓を作ることはどのような意味があるのだろうか。
主な目的をあげてみると、
・ ファミリーのオーナーシップの基盤を強いものにし、
それに基づいた取締役会を形成し、
ファミリービジネスの将来にわたる強い決意を醸成する
・ ファミリービジネスの強い基盤を作り、非ファミリーの管理職や
ビジネスパートナーとの信頼感を高める。
・ 次の世代に対して、ビジネスリーダーや企業オーナーとしての
期待を明らかにする。
・ 家族、親族の調和を保ち、誤解から生じる不要な葛藤を未然に防ぐ。
などだ。
内容としては、この連載の第2回にお伝えした、
ファミリービジネスの3つの要素、
ファミリー、ビジネス、オーナーシップの3つをカバーするものである。
実際には3つの領域すべてを一度に文章化するのは大変な作業になるため、
ひとつずつ、順を追って作っていくことになる。
この作業は前回お話した「ファミリー会議」の中で行うことが多い。
1) ファミリー宣言
ファミリーが大切に共有すべき価値観や、使命感を文書にする。
「人の話しは最後まで聞く。」とか、「問題を人のせいにする前に、自分も問題の一部だと知れ」など。
2) ファミリーの就業規約
ファミリーとビジネスのかかわり方を規定する。
入社の資格、就業条件、昇進、昇格の判断基準など。
これらが明確になっていると、非ファミリーメンバーはオーナー一族の身びいき、身勝手の印象を持たなくなる。
3) ファミリー株主協定
ファミリー株主間の取り決め。
株の売買に関する取り決め、株の買い戻し手続き、配当を受ける権利など。
法的な要素がたぶんに加わってくる。
これらを策定しても、その後ファミリーメンバー内で尊重され、実行に移されなければ何の意味も無い。
そのためには、これらを決めていくプロセスが非常に重要である。
特にファミリー全体にかかわりが強い「ファミリー宣言」と「ファミリー就業規約」の策定にあたっては、ファミリーの全員がかかわることが望ましい。
ファミリーのリーダーが責任者として取りまとめていくことになるが、
コンサルタントがファシリテーターとして客観的な立場から家訓作りを手伝うことが多い。
課題の抽出、ミーティングの議案づくり、ミーティングの進行、
文書化、その後の改定まで、
ファミリービジネスコンサルタントがそれらのサポートを行う。
家訓作りに取り組む前にやっておくことがある。
それは、ファミリー内の葛藤やわだかまりを解消しておくことだ。
家訓作りを始める前に、これらの問題を解決しておく必要がある。
家訓作りはそれらを防ぐ効果はあるが、起きている問題を解決する力は無い。
わだかまりの解消のために、別の方法が必要になる。
ファミリービジネスコンサルタントはこのような問題解決にも力になる。
ファミリーメンバーが互いに理解しあい、協力し合うための方法を提案し、
実行をサポートするのだ。
家訓を作ることで、ファミリーメンバーは強い団結力と、
次の世代に伝える強いメッセージを得ることになる。
■法則その5■ 家訓作りはファミリービジネスの永続力を高める
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