銀座でヨーロッパのブランド品を売る老舗の店主のお話。
昔は母親と娘で買い物にこられると、
娘はブランド品(エルメス、グッチなどの)を欲しいとは言わなかった。
万が一欲しがるような場面でも、母親が
「あなたにはまだ早い」とたしなめていた。
母親がたしなめない時には、店員が
「お嬢様はお母様のお下がりを使われてはいかがですか?」と、
やんわりとたしなめた。
高級ブランドはそういった商品だったし、ヨーロッパのメーカーも
そのようなものとして販売していた。
それが、1980年頃から状況が変わりだした。
ヨーロッパのブランドメーカーは「数を売る」事に熱心になってしまった。
日本で丁寧にブランド品を売ってきたパートナーを無視して、
自分たちの子会社○○ジャパンを立ち上げ、直接販売に乗り出してきた。
その時期、ヨーロッパのブランドメーカー(これもファミリービジネスが多いが)の子弟たちは
こぞって米国へMBAをとりに行っていた。
米国流の経営理念がヨーロッパのブランドメーカーを変質させ、
規模を追及する企業にしてしまった。
その結果、若い娘をたしなめることを止めて、拡大一辺倒の路線を走り出した。
MBA教育が大切にすべきことを忘れさせてしまったのではないだろうか。
コメント