堺屋太一氏は、近代工業社会のもたらした価値観が
近年大きく変化しつつあると指摘している。
近代工業社会においては客観的、科学的、普遍的な価値観が優先し、
物財の豊かさが幸福感につながるものだった。
この社会を推進するためには、官僚主導の規格大量生産、
大企業による経営の専門化が効果的だった。
ところが1980年代には物財が行き渡り、
物財の豊かさよりも満足の大きさが幸福感につながると考える社会に変化してきた。
これは産業革命以来の大きな変化だ。
堺屋氏はこれを「知価革命」と呼ぶ。
知価社会は主観的、社会的、可変的な価値観を優先する、感性豊かな社会だ。
近代工業社会から知価社会への大きな変化は、
官僚主導の規格大量生産を推し進める大企業に代わって、
独自の価値観を持ち、創意工夫を旨とする
個性的なファミリービジネスが主役になる時代への変化だと言える。
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