ファミリービジネスコンサルティングの定石の一つに、「ファミリー評議会の定期的な開催」がある。
創業時代の夫婦と子供たちで話し合う、「キッチンテーブル型」の会議から、
創業者の子孫が、2世代、3世代にまたがり、従兄妹、はとこから代表者を選任して行う「ラウンドテーブル型」の
本格的なファミリー評議会まで規模と形はさまざまである。
ファミリー評議会がなぜファミリービジネスの持続的な繁栄に有効なのか、その理由を考えてみる。
理由その1:ファミリービジネスの利点を最大化する
ファミリービジネスはファミリーとビジネスという、
二つのサブシステムが重なり合い、
複雑なシステムを形成している。
そのため、ファミリーが持つ強みが、ビジネスの強味にもなる。
団結力、所属するものに対する誇り、構成員に対する配慮、
将来のために今を辛抱すること、
次世代の幸福を願うこと、
個人の生きがいを大切に考えること、
互いの約束を守ること。
これら、ファミリーが持つ強みがビジネスに浸透することで、
強くゆるぎないビジネスが形成される。
これらの強味は、非ファミリーの企業にとっては、
のどから手が出るほど欲しいものであり、
いろいろと手を尽くして、ときには多額の費用をかけて
生み出そうとするものである。
ファミリービジネスにおいては、創業家に備わっているこの強味が、
自然にビジネスに浸透していく。
この強味を育てていく役割、
さらには、次世代へと渡していくための役割を
ファミリー評議会が担うのだ。
コメント