オーナーシップの発展のパターンは、ファミリービジネスの組織原則に直結したテーマです。オーナーシップの発展パターンは、二つに大別することができます。毎世代、ひとりのオーナーに株式を集中させる「単独オーナー型」と、子供たちに均等に株式を配分する「分散オーナー型」です。
単独オーナー型は、長子相続制を反映したもので、日本のみならず、欧米にもみられるタイプです。農地が重要な経営資源であった時代には「田分け(たわけ)」という言葉が戒めているとおり、財産を代々子供たちに分配すれば、限られた農地はどんどん小さくなり、生活が苦しくなります。それを避けるための知恵が、長子相続制です。
ファミリービジネスの主要な資産が会社の株式である、現代のファミリービジネスにおいては、田畑が重要な生産資源であった時代とは異なり、企業が成長していれば分散オーナー型においても一族が配当で生活することが可能です。しかし、通常は、ビジネスの成長の速度はファミリーの成長速度よりも遅いため、分散オーナー型でひとりあたりの資産が減らない状態を維持できるファミリービジネスは、それだけで優秀
最近のコメント